うつ病と同じように憂鬱な気分が続くのですが、逆に“元気すぎる”“動きすぎる”時があるような場合、双極性障害の可能性があります。
落ち込みだけではなくて焦りが強いような抑うつだったり、不眠傾向というよりは眠りすぎだったりなど、双極性障害のうつ状態にはうつ病とはやや違いがみられることがあります。
気分が良すぎる状態を躁状態といいますが、ご自分では気づきにくいものです。眠らずに活動するため睡眠時間が少なくなったり、普段よりも言葉数が多く常に何かしらのアイディアにあふれてきたり、一つのことに集中できず様々な刺激に対して興味を持ってしまうので、仕事を要領よく終わらせられなくなったりします。
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- こんな症状でお悩みですか?
- 症状B 「双極性障害」
- 落ち込むときと動けるときの差が激しい
- 動けるときは夜に眠らなくなる
- 何でもできるような気分になってしまう
- 急に金遣いが荒くなる
- テンションが高い時にしたことを悔やんでますます落ち込む
- 落ち込んでいるときの自分と何でもできる自分…
本当の自分はどんな人間かを悩む - 自分がどのように見られているか気になるから、
他人から言われたことに傷つきやすい
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うつ病と比べると比較的年齢が若い頃に病気が始まることがあるので、“自分の性格”のように思っていることが多いです。また“できないときもあれば、できるときもある”ことをご自分の中で納得しながら生活してこられているので、「自分は病気ではない」と思いたい人が多いように思います。
そのため気分の状態が安定しても薬の内服を止めてしまって、結果として再発を繰り返すことがあります。 -
28歳 女性
「ひどく落ち込むときと元気すぎるときの差が激しい」
「いつが“本当の自分”かわからない」元来社交的な性格と自分では思っていて、学園祭などのイベントでは他の人を引っ張っていくような働きをしていた。しかし理由のない落ち込みを感じるときがあり、その時には学校も休んで死ぬことばかり考えていた。
大学3年生になって教室のゼミに参加した頃から、様々なアイディアが浮かんで勝手に研究を進めてしまい、周囲から反感を買うようになった。しかしその後に急に集中力がなくなり、自ら抱えた仕事を自分で消化できず他の学生に頼らないといけないことが続いて教授から指導を受けるようになった。そのようなストレスが続いて、イライラも強くなって大学に通えなくなった。
自宅に引きこもった生活であったが、その一方で急に欲しい物ができて、高価な服などを多く購入するようになった。しかしやはり後から「なんでこんなにお金を遣ってしまったのだろう」と自分を責めるとやはり死にたい気持ちが強くなるという状態であった。 -
双極性障害と診断されるなら薬物療法が確実に必要になります。炭酸リチウムなどの気分安定剤には躁状態、うつ状態に対して改善効果、予防効果があります。そのため気分安定剤を主とした内服が必要になりますが、お薬の治療効果はすぐには得られません。薬の効果を見定めながら、病気についての理解を進めていきましょう。
さらには気分安定剤の効果を強めるために他のお薬の処方を合わせることもあります。人それぞれご自分に合ったお薬は違うので、丁寧に合う薬を探すことが肝心です。
双極性障害は対人関係の問題をテーマに症状が悪くなることが多く、対人関係-社会リズム療法が有効です。病気について理解するため、認知行動療法が有効なことがあります。