日々の様々な些細なことを過度に心配する状態が持続する病気です。「子供が事故に遭ったらどうしよう」「何か詐欺にあってしまったのではないか」「家が火事になってしまったら」「仕事で失敗したのでは」など一つ一つの心配は日常的な内容なのですが、心配の内容は多岐にわたり、心配をやめようと思ってもやめられない状態になります。
“万が一”“もしかしたら”と思うと心配でいても立ってもいられなくなり、“結果が分からない不確かなこと”に対して安心を求めようとして、結果として眠れない、疲れやすい、イライラしやすいなどの身体症状が生じて、ますます考えがはかどらないという悪循環に陥ります。
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- こんな症状でお悩みですか?
- 症状F 「全般性不安障害」
- テレビで悲惨なニュースを見るだけで家族が心配になる
- 地震や火災など自然災害のことが頭から離れない
- 携帯電話の迷惑メールを見ると被害に遭うことばかり考えてしまう
- 様々な心配をしているためか夜も眠れない
- 心配ばかりしていて疲れやすい
- 心配が多いため気持ちに余裕がなくてイライラしやすい
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52歳 女性
「いろいろな心配ばかりしていて疲れてしまう」
48歳時にパートタイムの仕事を始めた頃から、高校3年生の息子の帰りが遅いと“事故にでも遭ったのではないか?”と心配するようになった。次第に仕事でもレジの打ち間違いや計算間違いが心配になったり、テレビで悲惨なニュースなどを見るたびに夫や娘にもメールを入れて安否を確認したくなるようになった。夜にも眠れないことが多くなり、何もしていないのに疲れが抜けず、集中力の低下を感じていた。自身の体調についても、風邪を引いて咳が長引くだけでも「肺癌ではないか」という懸念が頭から離れなくなった。なぜこのように気が弱く何でも心配してしまう性格なのだろうと苦にしていた。
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強すぎる不安を改善するために抗不安薬を服用することがあります。またSSRIなどの抗うつ薬による治療も有効です。効果が得られれば、「思い悩まずに目の前のことが楽しめるようになった」という実感も得られます。
また、全般性不安は本来自身が優先したい物事への注意を奪ったりするので、不安を理由に物事の対処を考えるのではなく、問題解決の方向に向かうきっかけを作るために認知行動療法が有効です。このプロセスは“不安を不安がらない”という不安に対する新たなスタンスを生み出す助けになります。